「豊胸術」ジェル状充填剤でしこりや感染症の被害相次ぐ/NHK NEWS WEB

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181127/k10011724681000.html?utm_int=news_contents_news-main_002

大きく報道されていますね。

ジェル注入による豊胸とは

・ヒアルロン酸
・アクアフィリング/アクアリフト/アクア〇〇
・その他薬剤などの注入

以上が該当します。

問題なのは、どれも人体にとって異物であるということです。

異物である以上、異物反応が起こり、大なり小なり持続的な炎症が起こります。

それにより、被膜が形成され、しこりなどの硬結となったり、バストの変形や痛みに繋がります。

異物という観点では、シリコンインプラント(シリコンバッグ)も同様の症状が起こりえます。

今回、ジェル注入物だけが問題視されているのはおそらく、①術後対応のまずさ ②注入物自体の問題 ③政治的な側面の3点があると思います。

①術後対応のまずさ

施術を行っている美容外科のほとんどは超音波画像診断装置(エコー)がないため、術後に問題が起こっても検査できず、しこりなどの合併症の治療が十分にできません。結果、「もううちでは何もできない」と放り出されて一般の病院に紹介となります。一般の病院の先生たちは注入物でトラブルになる人を見る機会が増えるため、「注入物=良くないもの」という印象を持つことになります。当院でも施術したクリニックに見放されたという訴えで受診される方がたくさんおられます。

②注入物自体の問題

ヒアルロン酸はヒアルロニダーゼという薬剤で溶解することができるので、エコーで検査しながらであれば、ほぼ100%溶解除去することができます(ヒアルロニダーゼ自体が生物由来の薬剤なのでアレルギーには注意しないといけません)。ここ何年かで出回っているアクアフィリングやアクアリフト、アクア~と名前のつくものは、「水で簡単に溶解できる」というふれこみでしたが、実際はまったく溶解されず、しこりや感染が起こった場合に治療に非常に難渋します。個人的には主にこれが問題になっている気がします。あとはオリジナルで考えた方法で薬剤を胸に注入してしまうクリニックなどもあるようですが、こちらは論外です。

③政治的な問題

上述したうように、異物反応を起こしてしこりになったり変形する、感染のリスクがあるという観点では今回言及されていないシリコンバッグも全く同様のリスクがあります。ただこちらは数年前に乳癌術後の再建に限り保険適応が認められ一般病院でも施術している。よって、危険なものを国が認めたとするわけにはいかない事情があるように思います。もしくはインプラント製造会社の影響力があるのかもしれません。また、私が得意としている脂肪注入でも不適切な注入(無理な注入量や雑な注入の仕方)によって同じような合併症のリスクはあります。こちらも今後、乳癌術後の再建に限り保険適応になる流れがある為、言及されていないのかもしれません。

一部の注入物自体に問題があるというのもありますが、一番は術後の合併症を充分想定して、合併症が起こった場合にフォローしない(しきれない)という医師の責任感が問題です。術後にフォローできないような施術はするべきではありません。

お悩みの方は下記参考になさってください。

ヒアルロン酸・アクアフィリングなどの注入物の除去治療について