乳癌術後の再建 1回目脂肪注入後の経過
お久しぶりです。最近ブログ更新をさぼりがちです。
ゲストにも「ブログ見てます。」とよく言われるんですが、最近書いてない後ろめたさからか「最近書いてないですね。」と言われている気がします…
乳がん術後の再建の方の相談も増えてきて、大阪・名古屋とも何件か手術を始めています。
今回は豊田厚生病院の形成外科の先生方と協力して治療している患者さんの経過をご紹介します。
左の乳腺全摘後の患者さんです。
乳腺外科の先生は周囲の正常組織をなるべく残してくれたのですが、手術範囲との段差が目立ちます。
皮下組織もある程度厚みをつけて切除されているからなのですが、一番避けなければならないのは取り残して再発することなので仕方ないことですね。
初診の段階では手術範囲が大胸筋に癒着しており皮膚の伸びもよくなかったので、エキスパンダーを挿入してから脂肪注入という流れになりました。
エキスパンダーは保険適応があるので、豊田厚生病院でお願いしました。
ナトレルという生理食塩水の調整が容易なタイプです。
ナトレル挿入後、5ヵ月後に1回目の脂肪注入を行いました。
皮下の層が非常に薄かったため、初回は無理をせずに皮下と一部大胸筋内に合計30.5ccの注入となりました。
予定より少ない量でしたが、普段の手術と同じで入れすぎてもきれいに定着しません。
3ヵ月後エコーを見るとしっかり脂肪の層ができており、表面の感触も硬かった感触が一層厚みが出て柔らかさが出ていました。
現在はエイスパンダーを取り出して2回目の脂肪注入を行ったところです。
2回目は厚くなった皮下、筋内、筋下(被膜上)に合計100cc注入することができました。
層が厚くなれば一度に注入できる量も増えていきます。
もともと健側(右)が大きいので複数回の脂肪注入後に小さなインプラントの挿入となるかもしれませんが、都度患者さんと相談しながら考えられる最善の方法で治療を続けていきます。
ちなみにこの患者さん、アンチエイジングにもご興味があり、1回目の手術の際、目の下のクマとマリオネットラインにも脂肪を注入して喜んでいただけました。
※現在は通常の診療もあり、再建希望の方の手術をすべてお受けすることはできない状況ですが、脂肪注入をご検討される場合は、まずは主治医(乳腺外科や形成外科の先生)にご相談ください。
乳がん術後の再建についての詳細は下記のリンクよりご覧いただけます。
▷脂肪注入による乳房再建(THE CLINIC)
乳房再建症例は「よくわかる!脂肪注入の乳房再建」でも詳しくご紹介しています。
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