シリコンバッグの破損
シリコンバッグは10年前後で破損したり変形が強くなって相談に来られる方が多い印象です。
ただ、何かしらトラブルが起こっても一般的な病気と違って相談に行きにくく見て見ぬふりをしている方も多いようです。
今回の方は17年前にバッグを挿入され、3年くらい前から明らかな異常を自覚されていましたが中々相談に来れなかったそうです。
術前の胸の状態。
左は明らかにボリュームが増大して変形を来しています。
左に目が行ってしまいますが、右もかなり硬く破損が疑われました。
エコー画像です。
右と左の順に並べています。
右も破損して被膜内にスペースができています。
左は破損してますが、被膜を超えて何か液体に近いものが漏れ出しているのが分かります。
一見腫瘍なのではないかとも考えましたが、エコー検査でバッグのせいであることがわかりました。
皮下の脂肪と乳腺にある程度ボリュームがあった事と挿入されているバッグがそれほど大きいものではなかったので、今回はとりあえず取り出しだけにして、ボリュームダウンが気になれば、焦らず時間をおいてコンデンスリッチ豊胸をしましょうという流れになりました。
破れて時間が経っていたのかシリコンバッグの外殻もぼろぼろになっていました。
左は漏れたシリコンとリンパ液と血液が混じったものが大量に出てきました。
手術は内部もしっかり洗浄して1時間弱で終了しました。
術後5ヶ月の経過です。
左の伸びていた皮膚も自然に収縮して左右差は無くなりました。
ボリュームは減りましたが、予想以上に自然になってご本人もとても喜んでおられました。
今回は珍しく胸下から取り出しましたが、傷も若干赤味があるだけでとても綺麗です。あと数ヶ月でほとんど分からなくなるでしょう。
当院では、今回ご紹介したシリコンバックトラブル以外の失敗修正にも対応しています。
コラム「豊胸手術の失敗15例を実際の画像で解説します」では、実際のトラブルとその回避方法について詳しくご説明しています。
これから豊胸手術をご検討中の方も、失敗修正でお悩みの方もぜひご覧ください。
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