脂肪注入後のしこり(しこりの種類)
THE CLINICには他院で脂肪注入による豊胸をされ、しこりになった人の相談が数多くあり、おそらく世界でも最も多くの治療経験があると思います。
同業者向けの内容かもしれませんが、脂肪注入後のいわゆる「しこり」について何回かに分けて解説していこうと思います。
我々がこれだけ経験値があるのは、逆に言えばそれだけ他の施設で不適切な脂肪注入が行われているという事なので、少しでも啓蒙にもなればと思います。セミナーで多くの先生方にお越しいただいて勉強して頂いているにも関わらず未だに相談が多いのは、とても残念です。
まず前提として脂肪注入後のしこりの治療にはエコー診断が必要です。
その上で大きく4つの状態に分類できます。
① oil cyst(のう胞/嚢胞)
定着しなかった脂肪が壊死し、被膜(カプセル)に覆われた後、崩壊して液状になったものです。超音波は液体の中は良く透過するため黒く抜けて見えます。
② 充実性
壊死脂肪が被膜で覆われています。もろもろした白い壊死脂肪が詰まった状態です。
③ 混合性
①と②が混じった状態です。
④ 石灰化
被膜の石灰化が強く内部の状態が分からない状態です。時間的経過が最も長い状態で、脂肪注入後5年以上経過している場合が多い印象です。
時間経過としては③(→②→①)→④していくと考えられますが、液状化せずに④になっていくこともあります。
いずれにせよ、全て「脂肪を塊で注入したことによって、脂肪が壊死して被膜で覆われる」ことが原因です。
何度も過去に書いているように「多層に細かく適量」注入することが重要です。
エコーの画像を見ていただけば分かるように、しこりと言ってもその状態は様々です。
状態によって治療も異なってきますので、エコーも診ずに、そのままにしましょうとか、針で刺したり、潰したりするようなクリニックでの治療は避けてください。
特に状態も確認せずに針で刺したり潰したりすると胸全体に炎症が広がり大変なことになる場合があります。
次回は、治療編です。
※一部、横浜院の千葉院長のブログから画像を借りています。
千葉先生は乳腺外科医でもあるのでTHE CLINICの中でも卓越した技術があります。関東方面の方は是非横浜院にご相談ください。
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