ベイザー脂肪吸引 腰・太もも。そして脂肪吸引での死亡事故について

久しぶりのブログになってしまいました。

脂肪吸引での死亡事故の記事を見かけたのでそれについても私見を少し。

12月は例年一番忙しい時期ですが、今年もありがたいことにとても多忙です。

まずは症例です。

ベイザー脂肪吸引 腰大腿

腰・太もものベイザー脂肪吸引後です。

長方形に見えたウエストにくびれができて、お尻も丸くなり、女性らしいきれいなラインになりましたね。

なぜか紙ショーツの位置が全然違うため、少し塗りつぶして比較しやすいようにしてみました…

ちなみにお尻自体は脂肪吸引していません。しっかり適応を見極めないと下垂して見た目が悪くなってしまいます。

ベイザー脂肪吸引の詳細についてはTHE CLINIC公式サイトでご覧いただけます。
▷ベイザー脂肪吸引(THE CLINIC)

 

ニュースで知りましたが、近所(名古屋市中区)で脂肪吸引後の女性が亡くなったそうです。

報道の範囲では、「手術から3日後に亡くなっているのが見つかった」という事ですが、実際どの時点で異変があったのかはわかりません。

私が外科医としても麻酔科専門医の立場としても気を付けていることは、手術中の麻酔管理・全身管理はもちろんですが、手術前の既往歴や手術後の体調変化にも気を付けてもらうように説明することです。

特に脂肪吸引の手術後は、3日目くらいにむくみのピークが来ます。

むくみというのは脂肪のあったスペースに体液(主に血漿成分やリンパ液と考えられる)が染み出してきてそのスペースを埋めようとするために起こります。

そのスペースに体の水分が偏るので、脳や心臓、ほかの臓器に行く血液量は少ない状態になります。

少し難しいですが、血管内脱水という状態になっています。

なので、むくみの強い時期は、

・少しの動作で息切れする

・立ち眩みがする

・心臓がどきどきして速い

・おしっこの回数が減る、色が濃い

といった脱水症状が表れやすい時期です。

血管内脱水の状態はいわゆるどろどろ血の状態なので、血栓(血の塊)が作られやすい状態です。

長く脱水状態が続き、血栓が自然に溶解されず飛んでしまうと、肺塞栓(エコノミークラス症候群)、元々血管に細い部分がある人は心筋梗塞・脳梗塞のような致命的疾患につながります。

今回の事故も予想でしかありませんが、術後数日目に異変があったとしたら血栓症は可能性の一つとして考えられます。(司法解剖で原因がわからないということなので、少なくとも手術自体はそれほど問題がなかったのかもしれません。血栓などの内因性の原因の場合は次の病理解剖で分かることがあります。)

脂肪吸引の範囲が広ければ広いほど、吸引量が多ければ多いほど脱水症状が出やすくなるため、私は「術後むくみの強い時期は、おしっこの回数が減らないように、色が濃くならないように水分を多めに摂るようにしてください」と説明しています。

手術をする医師は、一度の手術で取る量や部位を見極め、手術中だけでなく術前・術後もしっかりフォローすることが大切です。

当院でもこのような重大な事故の可能性は0%ではありません。限りなく0%に近づけるように様々な工夫はしていますが、医療行為を行っている以上、確実に0%にすることができません。再度気を引き締めて日々の診療にあたってまいります。

最後に亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

 

術後のむくみについての過去の関連ブログです。参考までに。

2016/12/28ブログ「脂肪吸引後に水がたまるということ。

 

 

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